フリースタイルリブレとダイエット

深刻な不調が現れたため厳しい糖質制限を中止し、リブレで血糖を測りながら、自分にあった健康的なダイエット(食事法)を目指しています

【鉄剤過剰摂取問題】鉄の高濃度投与は安全?フェリチンはどの位必要か

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ダイエット関連の話題を詳しく調べていくと、サプリメントによる栄養素の補充等についての話が取り上げられる機会が増えました。その中でも特に「鉄」についての話題が大きく注目されています。近年、SNSでも一部の特定疾患に対して、鉄の高濃度投与で改善効果があるとうたう医師なども登場していますが、果たして、鉄の高濃度投与は本当に安全性が確保されているものなのでしょうか? 

鉄を摂らなければ貧血を起こしやすくなる

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血液の赤血球の中には「ヘモグロビン」と呼ばれる物質が含まれており、体内で酸素を運ぶという重要な役割を行っています。ヘモグロビンはミネラルのひとつである「鉄」により作られており、その鉄が不足すると酸素を運搬するヘモグロビンの生産量が減ることから、「鉄欠乏性貧血」を起こしやすくなるといわれています。

血液に含まれる細胞の中で、一番多いのが赤血球です。骨髄で作られた赤血球はその役目を終えると脾臓に送られその短い生涯を終えます。赤血球の寿命は約120日しかありません。ヘモグロビンの量を安定させるためには、継続した定期的な鉄の摂取が必要と考えられます。

しかし、鉄は食品から摂取することが可能なのですが、食品における鉄の含有量は他の栄養素に比べあまり多くないことと、その吸収率が低いこともあり、意識して摂取していない人については、潜在的に鉄欠乏性貧血を起こしている可能性が高いといわれています。それらのことから、食品からの摂取だけでは足りない、サプリメントで補充する必要があると考える人も多いと思われます。

鉄は貯蔵鉄【フェリチン】としてストック

成人の体に含まれる鉄の量は3~5g程度で、その多くは赤血球中のヘモグロビンに含まれているといわれています。赤血球が古くなったり壊れたりすると、マクロファージという細胞に壊され、脾臓や肝臓・膵臓に溜まり、鉄はフェリチンというたんぱく質にくっついた形で蓄積されるといわれています。これを「貯蔵鉄」と呼んでいます。

ヘモグロビンから残った鉄はフェリチンとなり、フェリチンはまた新たなヘモグロビンを作るために再利用されます。このように鉄は体内で循環使用、つまりリサイクルされていることになります。

鉄の利用においては、代謝過程で1日1~2g程度体外に排出されてしまいます。しかし、食品からその失われる1~2g分を摂取出来れば、その体内量は減らずに維持できるとされています。

ただ女性の場合は、月経や妊娠、場合によっては子宮筋腫など、鉄の損失の機会が多いことから、男性よりも鉄欠乏状態(低ヘモグロビン値・低フェリチン値)を起こしている方が多いといわれています。(※諸説あり。月経での損失分はホルモンの働きにより補給生産を高めるため、低下は起こらずに一定量を維持するという説もあるそうです)

また、ダイエット等を行う若い女性においても、食事制限をする機会が多いことや、鉄含有量の高い食品をあまり多く摂取しない(好まない)傾向などもあることから、鉄欠乏状態を起こしている人の割合がより高いことが指摘されています。

 

高濃度鉄剤投与は本当に安全なのか?

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女性の場合、妊娠中の鉄欠乏状態にいては医師の指導を受け、場合によっては鉄剤が処方されることになります。

しかし、最近のダイエットの傾向として、食事制限により不足する栄養素を医師等にはかからず、自己判断においてサプリメントで補給されている方が多いように見受けます。その中でも鉄剤を利用されている方については、ヘモグロビン値やフェリチン値を測らないまま大量の鉄剤を摂られているケースも時々お見かけします。

どうやら、医師や管理栄養士などの著書やSNSなどでの発信を基に、厚生労働省が推奨する上限量を上回って摂取しているようです。

確かに、鉄剤サプリを服用すれば、フェリチン値は簡単に上げることが出来ます。そういう私も過去に鉄剤を服用した経験があり、1日に36mgの鉄剤を2錠飲んでいました。服用開始後、約2か月くらいでフェリチン値100に到達していました。

一時期SNS界隈でも、フェリチン値を100以上にする方がよいという説が流れました。2016~2017年頃のことです。ビタミンやサプリに関してある海外の医師の著書が注目され、その当時はみんながこぞって鉄剤サプリを飲み、フェリチン値を100以上となることを目標としていました。確かに鉄サプリメントの摂取で鉄欠乏状態から改善された人も多く、調子が良くなったという方も沢山おられたようです。

しかし、その後に新たな説が議論され、フェリチン値が高すぎる場合のリスク※についての注目度が高まり、その後「フェリチン100は高すぎるのではないか?」という説が主流となり、私を始め友人たちもフェリチンが高すぎることの危機感を感じ始めます。

※1 Lee DH1, Anderson KE, Folsom AR, Jacobs DR Jr.ヘム鉄、亜鉛および上部消化管癌:アイオワ女性健康調査 Int J Cancer. 2005 Nov 20;117(4):643-7.

※2 Lee DH1, Folsom AR, Jacobs DR Jr.閉経後女性における食事性鉄摂取と2型糖尿病発生率:アイオワ女性健康調査 Diabetologia. 2004 Feb;47(2):185-94. Epub 2004 Jan 8.

※3 Ashmore JH, Rogers CJ, Kelleher SL, Lesko SM, Hartman TJ.食事性鉄および結腸直腸癌のリスク:ヒト集団研究のレビュー Crit Rev Food Sci Nutr. 2016;56(6):1012-20. doi: 10.1080/10408398.2012.749208.

いろいろな文献を探してみた結果、フェリチンは(女性なら)30~40くらいでよいのではないか?という推測値を支持するようになり、私自身は、2017年夏に鉄剤の摂取を止めました。

このフェリチンが30〜40くらいでよいのではないか?という説をわかり易くまとめて下さっているブログがあります。

神戸のナカムラクリニックの院長先生のブログです。よかったら参考に見ていただけたらなと思います。

※2018年6月11日投稿「鉄剤の危険性」

またナカムラクリニック院長のこのブログを更に取り上げたブログがあり、ナカムラクリニック院長が単なる一個人の名誉を傷つける為に発信されている訳でないことを丁寧に解説をつけられて紹介されていますので、こちらも合わせて見ていただければと思います。

※オーソモレキュラー栄養lab 「鉄剤の副作用と危険性」

フェリチンの推奨値は女性で20~50くらい

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この値は国内のおける標準的な貧血治療のガイドラインとして推奨されている値で、日本鉄バイオサイエンス学会の「鉄剤の適正使用による貧血治療指針」よりお借りしました。

一般社団法人 日本鉄バイオサイエンス学会

女性の場合その推奨値は、閉経を迎えるとフェリチン値は若干上がることから約50程度、閉経前の場合で20~30程度とされています。

フェリチンには鉄の過剰摂取があった場合、細胞組織に障害を起こさないように調整する機能があるといわれています。フェリチンは血液中にも微量に含まれ、血清フェリチンとして血液検査で測定することができます。血清フェリチンは貯蔵鉄の量と連動して増減し、血清フェリチン1ng/mLは、貯蔵鉄8~10mgに相当するといわれています。

フェリチン値は炎症があると高くなる性質あり、悪性腫瘍・肝障害・心筋梗塞等が発生すると、数値が高くなることから、これらの傷病における診断材料ともされている検査項目・指標です。

これらのことから、サプリで意図的にフェリチン値を高くしてしまうと、本当の病に罹患した時に炎症反応が雲隠れしてしまい、その兆候を見逃してしまう恐れもあると考えられます。

また、意図的にフェリチン値を高くしてしまうことで、その他の臓器に「どこかに炎症起こしているような状態」と誤認識させてしまうような、悪い影響を与えてしまわないか?との怖さも考えます。

それらのことも踏まえて、私も友人たちも、鉄サプリメントの服用を止めるだけでなく、フェリチン高値を目指すことも止めてしまったのでした。

フェリチンは病院で検査してもらえない?

では、鉄剤サプリを飲む前に「フェリチンを測ってみたい」「フェリチンを測ってから鉄剤を飲もう」と思っても、実は一般的な内科などでは検査を希望しても測ってもらえないケースがあります。

実は、診療報酬の請求システムの制度による、という理由もあるようで、レセプトには傷病名を記入し、それに適応する診療内容でないと保険請求が出来ないように(審査があります)なっているからではないか?と思っています。

フェリチンは先にも説明したように、鉄欠乏性貧血の検査指標ではありますが「悪性腫瘍・肝障害・心筋梗塞」などの重病を示す指標にもなっていることもあり、簡単に初診の問診だけで「はい、じゃああなたは鉄欠乏性貧血だね。では調べましょう」とは記入し難いのかもしれません。(あくまでも想定です)

そのためか、あまり鉄欠乏性貧血や栄養障害に詳しくない医師は、フェリチン項目を追加したくない(審査に引っかかりたくない)ようです。

私のかかりつけ医は栄養療法を指導するクリニックなので検査を実施してくれますが、今のクリニックにかかる前に、他の内科でフェリチンの検査を希望した際、医師にその検査を希望する理由をいろいろと質問され、結局は拒否されてしまったという経験があります。私の友人の中にも同じようなやり取りを経て、やっぱり調べて貰えなかったという人が何人かいました。

本来は患者の希望する検査を実施してくれるのが病院の役目だとは思うのですが、その検査を実施する時点で「病気であるかないか」によって、「保険請求が出来るか否か」という問題が発生します。病気だという明確な疑いが無ければ、保険請求は出来ません。病気でない場合は全額自費負担での検査となり、血液検査費用は全て自己負担となります。

フェリチン検査を希望される場合は、検査を受けたい病院に事前に問い合わせをされてから来院されるのがよいかと思います。

鉄はヘム鉄・非ヘム鉄の2種類に分かれる

サプリメントで意図的にフェリチン値を高く上げることを止めた私は、ある程度の数値(推奨値から考え、だいたい30~40くらい)を維持するために、食品から鉄摂取を行うことを目標としました。

代謝で失われるといわれる、1~2g/日を食事から摂れればリサイクル循環もあることから、フェリチンは大きくは減らないはずだと考えました。

食品に含まれる鉄には大きく分けて2種類あり、動物性食品に含まれるヘム鉄と、植物性食品に含まれる非ヘム鉄があります。但し、卵は動物性食品ですが非ヘム鉄に分類されます。

体に含まれている鉄がヘム鉄ということもあり、食品から摂取する場合の吸収率は動物性のヘム鉄の方が優れており、その吸収率は15~25%程度。逆に植物性の非ヘム鉄の場合は吸収されにくいという性質があり、5%程度と言われています。

吸収されやすいなら、ヘム鉄の方をたくさん取ればよいのではないか?と思いがちですが、動物性のヘム鉄を多く摂ろうとすると、脂質や脂溶性ビタミンも一緒に多く摂取してしまうことになるので、栄養摂取のバランスも考えた上で、摂り過ぎや偏りがないように気をつける必要があります。

特に妊婦さんの場合は、鉄欠乏性貧血を起こさないようにとレバーを食べ過ぎてしまうと、ビタミンAの過剰摂取になるケースも考えられますので注意してください。

おすすめは毎日の食事から少量ずつ摂取する

①ヘム鉄と非ヘム鉄の両方から摂る
②非ヘム鉄の吸収を促進する、ビタミンCも一緒に摂る(クエン酸)
③非ヘム鉄の吸収を促進する、動物性たんぱく質と一緒に摂る
④鉄の吸収を阻害する、紅茶・緑茶は一緒に摂らないようにする
(タンニン酸を含む食材を避ける)
⑤鉄の吸収を阻害する、穀類・豆類は一緒に摂らないようにする
(フィチン酸を含む食材を避ける)
⑥ハム・ソーセージなどの市販加工品と一緒に摂らないようにする
(リン酸塩を含む食材を避ける)
⑦食物繊維と一緒に摂らないようにする
(可溶性繊維は特に吸収を阻害する可能性があります)

簡単な摂取方法は料理にプラスワン

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上記は食品100gあたりの鉄分の含有量を表にしてみたものです。これを見てみると、鉄分はメインの食材だけでなく、料理にちょこっと足すような調味料や脇役食材にも鉄が含まれていることが解ります。そのことから私は、味噌汁の出汁には煮干しの粉末を使ったり、お好み焼きやほうれん草のお浸しには干しエビやもみのりをかけたり、サラダやス―プにカレー粉を足したり、おやきやつくね団子には乾燥ひじきを混ぜ込むなど、ちょこちょことこまめに「プラスワン」するようにしています。

その他にも、週に1回程度、鶏レバーか豚レバーを食べています。レバーは好きな食材なので、塩ゆでしてお弁当用にストックしたり、生協のお惣菜のレバー煮などを買い置きしています。

そのおかげで鉄剤の服用を止め1年半経った今でも、フェリチン30~40を維持しています。